これまでのあらすじ
郡山の青木氏、いわき石川の溝井氏の紳士コンビのおかげで判明した京都会議。
相棒の死を乗り越え「俺」は須賀川のボスNABEを探しに地区ナイトというイベントに潜入した。
第5話 復活のKY
京都会議期間中、ここ京都国際会館日本青年会議所の通常総会を始め、正副会頭会議、理事会等の各種会議の会場となっているらしい。
京都会議とは要は一年の初めに日本中の青年会議所が京都に集まるイベントである。
これから向かう地区ナイトは東北地区の青年会議所の会員が集まる、いわゆる大懇親会である。
日本青年会議所東北地区協議会のボス
大泉勝嗣君
挨拶を一番前で聞いてきた。熱い男だ。
東北最大の運動の発信の場である東北青年フォーラムが今年も行われるという。今年は水の里とめにて行う。
壇上の男達から
やーべやーべ(来てよ来てよの意味)
と言われたので、
いぐべかー!(もちろん行きますよー!の意味)
とハードボイルドに答えてきた。
そして程なく恒例の鏡割りが始まった。
「あ、危ない!」
左から三番目の男の顔に木槌が!横180度の角度でヒットした。俺はとっさのことで助けられず、前触れもなく目の前で繰り広げらりた惨劇にショックを隠しきれなかった。
「なんて恐ろしい集まりだ…!」
会場の外に出て気分を落ち着かせていると、着物を着た京都美女が俺に近づいてきた。
「 おいでやす〜。ご注文は何にされはりますか〜?」
俺はこれまでの経緯を全て説明した。
そして全ては何者かの陰謀により相棒を失ったことから始まったことを。
静かに着物の京都美女は言った。
「この街には不思議な力を持つ魔人がいはります。その魔人の力を借りれば相棒はんも生き返るかもしれないどす。」
「その魔人にはどこに行けば会えるんだ?その魔人の名は?」
「魔人の名はブウ。魔人ブウは誰でもあり、そして誰でもありまへん。」
そう言うと着物の京都美人の姿は徐々に魔人ブウへと変わっていくではないか!
「おまえが魔人ブウ…!」
俺は驚いたがここは古都京都。魔人が着物美人に変身していてもおかしくはない。
俺はとっさに魔人ブウの頭を掴んだ。
「頼む!俺の相棒YKを生き返らせてくれ!」
「わかったブウ」
そう言うと魔人ブウは魂を吹き込む儀式を始めた。
魔人ブウの唇とKYの唇が
(略)
KYはあっさり復活した。
でもなんか具合が悪そうだ。決して呑みすぎなわけではないだろうが。。
「早速死にそうじゃねーか」
という声がどこからか聞こえてきたような気がした。
俺はバーで静かにKYの復活に祝杯のグラスを傾けた。
「今日はハードボイルドな一日だった。。」
2日目につづく。